天体衝突でできた陥没地形。円形のくぼ地は隕石孔と呼ばれるが、古い時代にできたものは複雑な地形や地質構造を示しており天体衝突構造(impact structure)と呼ばれており、1950年代までは潜爆発構造(cryptoexplosion structure)と呼ばれた。アメリカのアリゾナにある直径1.1kmのバリンジャー・クレーターが有名。現在では、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカなどで178個ほど見つかっている。オーストラリアの中央部にあるゴッシズ・ブラフは直径約3kmのリング状の構造で、それを取り囲む直径30kmの初期クレーターは、約1.4億年前に形成されたが、激しい浸食を受け、現在では平坦になっている。カナダのマニクアガン・クレーターは、リング状の湖になっている。クレーターの形成に伴って、その周辺の岩石は衝撃波で破壊される。衝撃破壊の破断面はシャッターコーンと呼ばれており、天体衝突の証拠とされている。また、石英粒子には平行な変形構造(ラメラ構造)が形成され、これも衝突の証拠とみなされている。地球最古の衝突構造としては、19億年前に形成されたカナダのサドベリーやアフリカのフレデフォルトが有名である。6500万年前の恐竜絶滅を引き起こした衝突構造(チクシュルブ・クレーター)は、メキシコのユカタン半島で見つかっている。