南ドイツのジュラ紀後期の約1.5億年前の地層から発見された最古の鳥類化石。1861年に一枚の羽毛が、後に10個体の骨格化石が見つかり、顎に歯が生えているなど、は虫類的特徴を持つ一方で、羽毛が生えていることなどから、は虫類と鳥類をつなぐ中間的な化石として注目されてきた。1990年代半ば以降、中国遼寧省の熱河(ジェホル)化石動物群を中心に中華竜鳥(Sinosauropteryx)を始めとする20属以上の恐竜にも羽毛が見つかり、鳥類と恐竜が密接な関係にあることが分かった。ただし、熱河の化石は、白亜紀前期の1.2億年ないし1.33億年前のもので、始祖鳥よりも新しかった。2009年には、遼寧省のジュラ紀後期の初期の地層から1.65億~1.50億年前の羽毛恐竜アンキオルニス・ハクスレイ(Anchiornis huxleyi)が、また10年には、新疆のジュラ紀後期の初期1.61億~1.58億年前の地層から羽毛恐竜ハプロケイルス・ソレルス(Haplocheirus sollers)が発見され、恐竜が鳥の祖先であるという説にとって難題であった時代論的な矛盾が取り除かれた。