石質隕石の一種。Hコンドライト、Lコンドライト、LLコンドライトの総称。発見されている隕石の約90%を占める。石質隕石中の鉄は、鉄ニッケル合金と、ケイ酸塩鉱物中の鉄酸化物に分けられるが、金属鉄としての存在度の高いものをHコンドライト、低いものをLLコンドライトといい、Lコンドライトはその中間的な性質を示す。いずれもコンドリュール(球粒)という直径数ミリメートル程度の粒子を多く含んでいて、隕石母天体のなかで一度も融解するような高温になっていない。形成されてからずっと低温に保たれていたものはコンドリュールの保存状態がよく、高温になったものはコンドリュールが不明瞭となっている。こうした特徴は岩石学的タイプといい、タイプ3からタイプ6までの4段階に分類される。タイプ3は化学的に不均質であり、非平衡コンドライトと呼ばれることもある。2010年に小惑星探査機はやぶさが帰還し、サンプル回収容器のなかに微小な小惑星物質が多数発見された。その鉱物組成や化学組成から、小惑星イトカワが普通コンドライトでできていることが示唆された。将来的には小惑星探査機はやぶさ2が打ち上げられるという計画があり、次にターゲットとなる小惑星としては、炭素質隕石でできた小惑星が候補に挙げられている。