西南日本と東北日本を分ける地質構造上の境界線。ドイツ人地質学者のH.ナウマンが発見し、名づけた。フォッサマグナは、尻の割れ目という意味のドイツ語で、大規模な陥没地形を意味している。フォッサマグナと呼ばれている地域は幅100キロメートル以上もあり、第三紀の火山岩類が分布している。その西縁が糸魚川-静岡構造線と呼ばれる地質境界線で、その以西には飛騨外縁帯、美濃帯の中古生層などの古い基盤岩が広く露出している。一方、東側の境界線は銚子-柏崎線であるという見解がある。フォッサマグナが形成される前の新生代古第三紀には、日本列島はアジア大陸と接していた。1500万年前ごろに日本海が拡大し、東北日本は反時計回りに回転しながら太平洋へ向かってせり出してきた。一方、西南日本は時計回りに回転して現在の位置に至った。フォッサマグナはこうした運動で移動した2つのブロックの境界部に位置している。