地球内部で発生したニュートリノ。地球内部に存在する放射性元素であるウラン、トリウムの壊変に伴って発生する。東北大学の研究グループは、岐阜県神岡鉱山のニュートリノ観測装置カムランドで、地球内部からやってくるニュートリノを検出。その数から地球内部の熱源元素の存在度を推定した。その結果、地球内部にある放射性元素の壊変で発生する熱エネルギーは、地球表面から宇宙空間へ放出されるエネルギーの50%程度に過ぎないことが明らかになった。これまでの地球の熱史の研究からは、内部で発生する熱エネルギーと地球から逃げていく熱エネルギーはバランスしており、内部の温度はほぼ定常状態にあると考えられてきた。しかし、地球ニュートリノの研究から、地球内部の温度は長期的にみると少しずつ冷えてきていることがほぼ確実となった。地球内部からでてくる熱エネルギーは、ボアホール(ボーリング孔)での岩石の熱伝導率と、地温勾配の測定から推定される。その値は地殻熱流量と呼ばれている。地球全体でみた地殻熱流量は、世界各地の測定値を積算して推定されており、その値は44兆ワットである。