火星と木星の間に分布する小惑星の一つ。1807年に発見され、古代ローマの女王ベスタの名前が与えられた。軌道半径は2.36光年。3.63年で太陽のまわりを一周する。ベスタの直径は500キロメートル程度と推定されており、小惑星帯のなかでは3番目に大きな小惑星である。この天体の反射スペクトルの観測からは、玄武岩質の隕石であるホワルダイト、ユークライト、ダイオジェナイトと名づけられている隕石グループの反射スペクトルとよく一致しており、ベスタの表面は玄武岩質の物質で覆われていて、かつては活発な火山活動があったのではないかと考えられている。2007年にNASAが打ち上げた小惑星探査機ドーン(Dawn)が11年7月にベスタに接近し、その探査を行った。この小惑星探査機は、ベスタをあとにし、最終目的地である小惑星セレスに向かい、15年2月に到着することになっている。セレスは準惑星で、小惑星帯最大の天体で、軌道半径は2.76天文単位。4.6年で太陽のまわりを一周する。直径は950キロメートルもあるが、表面はコンドライト隕石のような原始的な物質でできていると考えられている。