中生代の三畳紀に出現し中生代白亜紀末に絶滅した、脊椎動物亜門爬虫類綱恐竜上目の化石動物。陸にすみ、様々な環境に適応し、全大陸から発見されており、大型のものも多い。恒温動物だったという説もある。もともと二足歩行だったが、進化の途上で二次的に四足歩行になったものもいた。トカゲのように四肢が横にはみ出ておらず、体重を真下にある肢(あし)で支えることができたので、敏捷に運動できたと考えられている。恐竜は、骨盤の形に基づいて竜盤目(竜盤類)と鳥盤目(鳥盤類)に大別される。竜盤目では腸骨の下で恥骨が前方に、坐骨が後方へ伸びてハの字形になっている。鳥盤目では、恥骨が坐骨と平行になっている。竜盤類には二足歩行で肉食性のティラノサウルス(白亜紀)、二足歩行で植物食のイグアノドン(白亜紀)、あるいは史上最大の陸上動物の一つ、四足歩行で植物食のブロントサウルス(ジュラ紀:体長約25メートル、体重約30トン)などが含まれる。鳥盤類は主に四足歩行の草食性の恐竜で、ステゴサウルス(ジュラ紀)、トリケラトプス(白亜紀)などが含まれる。恐竜の中にはシノサウロプテリクスなど、羽毛で覆われていたものもいたことが1990年代に判明し、恐竜と鳥類の類縁関係の研究が進んだ。その結果、鳥類はジュラ紀末に、竜盤目の獣脚類から進化したことが確実となった。このことから、恐竜は白亜紀末に絶滅したとされるが、獣脚類の一部が鳥類として今も生き残っているというのがより正確である。復元図にみられる恐竜の色は空想に基づくものだが、ジュラ紀の竜盤目の恐竜であるアンキオルニスをはじめとする羽毛恐竜の羽毛から、色素が検出され、恐竜の体色やパターンが復元され始めている。