閃ウラン鉱(uraninite)、ピッチブレンドなどのウランに富んだ鉱物を多く含む鉱床。ウランはイオン半径の大きな元素であり、マグマが固化していくときに、マグマの残液に残される傾向がある。また、イオン半径の大きな元素(インコンパチブル元素ともいう)は、鉱物中に取り込まれにくいため、珪長質のマグマほど濃度が高い。ウランに富んだ火成岩には、花崗岩質の熱水性岩脈やペグマタイトという結晶サイズの大きな鉱床体、カーボナタイトのようなアルカリに富んだ火山岩が知られている。こうした火成岩が風化して、ウランが溶け出し、地下水といっしょに移動して、砂岩などの堆積岩中に沈殿した堆積性の鉱床も知られている。岐阜県瑞浪市など国内のウラン鉱床は堆積性のものが多い。いっぽう、先カンブリア時代には、地球環境が還元的であり、南アフリカやカナダの礫岩(れきがん)中にウラン鉱物を多く含む地層が知られている。天然のウランには、放射性を示す235ウランと238ウランという二つの同位体が存在する。238ウランは235ウランよりも半減期が長く、現在それらの比は137対1である。ウラン鉱石から原子力発電所の燃料を精製するには、半減期が短い235ウランを濃縮させる必要がある。