マントルを構成するかんらん岩、地下深部で玄武岩質マグマがゆっくり固化してできたはんれい岩、マグマが海底に噴出してできた枕状玄武岩などからなる火成岩体。大規模なものは長さ100キロメートル、幅数十キロメートル、厚さ10キロメートルに達する。オフィオライトのオフィはギリシャ語で蛇を意味しており、かんらん岩が変質してできた蛇紋岩を伴う岩体であることに由来する。オフィオライトを構成する岩石とその地質構造が海洋地殻(海洋リソスフェア)の断面に相当していると考えられている。プレートテクトニクスによると、中央海嶺で形成された海洋地殻は、プレート運動によって海溝へと向かって移動し、やがてマントルに沈み込んでいく。プレートとプレートが衝突する境界部で、海洋地殻でできたプレートが陸側のプレートに乗り上げるように衝突するとオフィオライトが形成されると考えられる。日本の西南日本舞鶴帯の夜久野、北海道日高山地などにみられるものはこうしたプレートの沈み込みに伴って形成されたものと考えられる。世界的には大規模なオマーンやキプロスのものが有名であり、大陸分裂のときのリフトの形成に伴うもの、マントルプルームの活動に関係したもの、中央海嶺付近で形成されたものなど、テクトニックな環境による分類が提案されている。