アフリカ大陸の東部を南北に縦走する巨大な谷状地形で、その幅は100キロメートルに達するところもある。谷の両側には正断層があり、大陸が分裂する初期の状態にあると考えられている。大陸に地溝帯が形成されて海洋底拡大が始まる初期段階をリフティング(rifting)という。もし拡大が始まれば、ここに新たな海洋の形成へと至る。大地溝帯の北はエジプトのシナイ半島を形作るアカバ湾とスエズ湾に始まり紅海からエチオピアのアファー三角地帯(Afar Triangle)へとつながっている。アファー三角地帯では、紅海、アデン湾、大地溝帯が交わる場所であり、海嶺-海嶺-海嶺の三重会合点(triple junction)としても注目されている。その南は東リフトバレーと西リフトバレーに分かれ、モザンビークにまで達している。大地溝帯の形成は1000万年前ごろから始まったとされる。地震活動や火山活動も活発で、ニーラゴンゴ火山や、カーボナタイト(carbonatite)マグマの流出で知られるオルドニオ・レンガイ火山などがある。この地域では、アウストラロピテクスをはじめ、人類化石が多数発見されていることでも注目されている。