凝灰岩の中で緑色~灰緑色を示す岩石をさす。新生代中新世に日本海が拡大したころ、日本列島では東北地方を中心に火山活動が活発化し、各地に大量の火山岩が噴出した。これらを総称してグリーンタフという。このうち凝灰岩(tuff)は、火山から噴出した火山灰が水の働きによって運ばれ、水中で堆積した岩石である。マグマの揮発性成分が発泡してできた多孔質の岩石である軽石を多く含むものは軽石凝灰岩(pumice tuff)と呼ばれる。また、一時的に大規模な火山灰が放出されると、降り積もった火山灰に熱がこもり、再結晶や溶結して粒子が接着した火山性堆積岩が形成される。このような岩石は溶結凝灰岩(welded tuff)と呼ばれる。岐阜県に広く分布する濃飛流紋岩は、白亜紀後期から古第三紀に活動した火山活動で形成された溶結凝灰岩であるが、化学組成からは流紋岩に区分されている。このように岩石名には、形態や組織に基づいてつけられた名前、形成過程に基づいて名づけられた名前、化学組成に基づいてつけられた名前が混在している。なお、石材で有名な大谷石(栃木県宇都宮市)は、軽石凝灰岩の一種で、軽くてやわらかく加工しやすいことから、建材として広く利用されてきた。