広域変成岩の一種。変成作用を受けて再結晶してできた鉱物が線状あるいは面状に配列した片麻状構造を発達させている。変成作用を強く受けているため、原岩の堆積構造や初期の鉱物組成や化学組成は失われていることが多い。変成鉱物の組み合わせから、変成作用時の温度や圧力の履歴、時間変化を明らかにしようという研究が進められている。太古代に安定化した地質体では、変成度の比較的低いグリーンストーンベルト(greenstone belt)と呼ばれる火成岩と砕屑性堆積岩からなる帯状のユニットを取りまいて、変成度の高い片麻岩が分布している。西グリーンランドのイスア地域の周辺の片麻岩はアミツォーク片麻岩(amitsoq gneiss)と呼ばれており、38億年前に変成作用を受けた。地球最古の岩石としては、これより古い40億年前のアカスタ片麻岩(Acasta gneiss)がカナダ北極圏で発見されている。