中生代白亜紀前期の巨大肉食恐竜で、獣脚類に属する。スピノサウルス科の恐竜は、現在5属が知られており、エジプトからモロッコにかけての北アフリカ、イギリス、ブラジル、東南アジアで化石が発見されている。スピノサウルスの化石は、1912年に発見され、記載された。獣脚類恐竜としては特異で、頭蓋骨は平たく、鼻は前方へ突き出して細長く、ワニの頭蓋骨と似ている。体長は16~18メートル、体重は10トンに達すると推定されている。背中の脊椎骨にはとげのような長い突起がある。ミュンヘンの博物館に所蔵されていたが、第二次世界大戦で破壊された。イギリス産の化石では、巨大な前肢の爪が発見されている。また、胃部の残留物から魚食性であることもわかった。ニジェールで発見された化石が2014年に記載され、首や胴が従来よりも細長くて、骨盤帯が小さく、水生生活に適応した体形が復元された。スピノサウルスは映画「ジュラシックパーク」にも登場したため、知名度も人気も高い。