斑れい岩の一種で、カルシウム、ナトリウム、アルミニウムを含むケイ酸塩鉱物から成る岩石。ほとんどが斜長石から成る。先カンブリア時代の地殻を構成する岩石として産する。月では高地を構成する主要な岩石として知られている。月の斜長岩はカルシウムを多く含みナトリウムは少ないが、地球のものは月と比べてナトリウムが多く、岩石組織も異なる。月の岩石では、斜長石とかんらん石から成るトロクトライト(troctolite)や、斜長石と斜方輝石から成るノーライト(norite)のほか、斜長石、かんらん石、斜方輝石、単斜輝石から成るかんらん石斑れい岩(olivine gabbro)などがあり、アポロ計画で地球に持ち帰られた岩石のほか、月からやってきた隕石のなかにもこうした種類が含まれる。月の斜長岩は、月が誕生した頃、内部が大規模に融解して比重の軽い鉱物が表面に集積してできたとされる。