地震計による観測以前の、歴史時代に発生した地震。地震計による観測では、地震波の到着時刻から震源の位置が、振幅から震源の規模が決められるが、歴史地震では古文書の記載から震度分布などを推定し、現在の地震と比較して推定する。それより古い地震は、主に地質学的手法により推定する。このような地震と歴史地震とを合わせて、古地震と呼ぶ。考古遺跡の発掘調査で見いだされる液状化痕から推定される古地震もある。歴史地震の発生時期は多くの場合正確に求められるが、地質学的手法で求められる古地震の発生時期は不確定の要素がある。869年貞観地震は、歴史資料からは宮城県多賀城市での被害しか明らかではなかったが、地質学的手法を用いた津波堆積物調査によって石巻平野、仙台平野、福島県浪江町などでの広い津波浸水域が解明された。