海洋プレートが沈み込む海溝の海側に、海溝軸に平行にアウターライズ(海溝外縁隆起帯)と呼ばれる地形的な盛り上がりが形成されている。この領域で発生する地震をアウターライズ地震とよぶ。海洋プレートは沈み込むために折れ曲がる必要があり、アウターライズはそのたわみによって形成されている。このため、海洋プレートの隆起部の浅い部分では引っ張りによる正断層型の地震が、深い部分では逆に圧縮によって逆断層が発生しやすくなる。プレート境界での巨大地震の前後にしばしば発生する。昭和三陸地震(1933年)、千島列島沖地震(2007年)のように、マグニチュード(M)8を超える地震が発生する場合が多い。昭和三陸地震は、プレート境界型地震であった明治三陸地震(1896年)の影響を受けたとみられている。陸地から離れた場所が震源となるため揺れによる被害はわずかだが、津波を発生させるため警戒を有する。最近では、2012年12月に三陸沖でアウターライズ地震(M7.4)が発生した。11年東北地方太平洋沖地震後、このタイプの地震が発生しやすい状況は継続しており、警戒を継続する必要がある。