地震波を多数の点で観測することにより、地震波が通過した地球(地下)の構造を明らかにする方法。この方法によって、地球規模の地震波の速度構造や、首都圏下での数十キロメートル深さの詳細な地震波速度構造など、さまざまなスケールで地球の構造が描き出されている。これは地震観測網の充実とともに明らかにされてきたもので、沈み込むプレートの詳細な構造、プレートテクトニクスを駆動するマントル対流の状態など、大きな知見が得られてきた。火山体下のマグマだまりの位置や形状、大規模な地震を発生させた地下の構造を理解する上で重要な情報を提供している。最近では地震波の速度構造だけではなく、岩石の“柔らかさ”に対応するような、地震波の減衰構造についてもトモグラフィーから情報が得られるようになってきている。