断層周辺の岩石が破砕されて帯状になっている部分の名称。断層の動きによって岩石が破砕され、粉砕とともに割れ目の集合帯が形成される。断層運動とともに粉砕が進行し、中心部には断層粘土とよばれる粘土帯ができる。周辺には断層角礫(かくれき)とよばれる網の目状の細粒部に囲まれた岩石が分布し、その外側には割れ目の多いゾーンが形成される。破砕帯は幅数ミリから100メートルを超える場合もある。破砕帯内部の構造は、断層の動きを推定する上で重要な情報を提供するため、原子力発電所敷地内の調査などでも検討の対象となっている。また、2011年東北地方太平洋沖地震を引き起こした断層の挙動を理解するために、深海底での破砕帯の掘削調査も行われた。