表土層だけでなく、深層の地盤・岩盤を巻き込んで滑る大規模な崩壊現象。通常は表土層と基盤層との境界に沿って崩壊する表層崩壊が一般的である。近年、大規模な集中豪雨に伴って深層崩壊が発生する場合が多い。2009年台湾南部・小林村では集中豪雨による深層崩壊によって500人の犠牲者を出した。また、11年9月初の台風12号に伴う紀伊半島の集中豪雨では、多数の地域で深層崩壊が発生し、深刻な被害となった。深層崩壊は、崩壊による直接被害の他に、崩壊物が河川の流れをせき止め、天然ダムをつくり、その決壊によって二次災害を発生させることからも災害の規模が大きく、総合的な対策が必要である。国土交通省は、10年から深層崩壊の対策についての総合的な検討を進めている。