一度の噴火活動で活動を終える火山を単成火山、同一の火口を使って複数の噴火活動にわたってマグマを噴出するものを複成火山という。複成火山では、マグマの地表までの通り道である火道がパイプ状でおおむね安定しており、同一火道から何度も噴出物が供給されるため、富士山のような円錐型の成層火山をつくる。複成火山でも、火道の安定性が悪い場合は、円錐形が複合した形状を成す。単成火山の場合、マグマは深部では板状の割れ目に沿って供給されることが多く、地表でも割れ目噴火や、円形のくぼみ状の火口からなるマール、小規模な盛り上がりと火口からなる火砕丘、溶岩ドームなどの火山地形を成す場合が多い。日本列島の活火山のほとんどが複成火山であり、単成火山としては阿武火山群(山口県)、福江火山群(長崎県)、東伊豆火山群(静岡県)などがある。