海洋の表層には、多くの場所でほぼ一定の方向に流れる海流が存在する。その深さは目立つ部分で数百m程度、幅は流軸の両側に数十km程度である。細かく渦巻き、乱れながら、大勢としてほぼ一定の方向に流れる。表層の海流系形成の主たる駆動力は、絶えることなく吹き続けている風系と推測されている。また、海流は地球の自転の影響も受け、大洋の西側に押し付けられる形になって、幅は狭いが強勢の海流を形成する。太平洋の黒潮、大西洋の湾流(メキシコ湾流)はその典型的なものである。海流で周囲の海水より温度の高いものを暖流(warm current)、低温のものを寒流(cold current)という。したがって、通常は、低緯度から高緯度に向かって流れる海流が暖流であり、高緯度から低緯度に向かって流れる海流が寒流である。