南極大陸は過去には超大陸ゴンドワナ大陸の一部で、温暖な気候を呈していた時期もある。約2億年前にこの超大陸が分裂を始めた。具体的には南アメリカ、アフリカ、オーストラリア、インド亜大陸などのすべての大陸が南極から離れていった。南極が現在の位置に孤立したのは約4000万~3000万年前でほぼ同時期に南極大陸に氷床が形成され始めたと考えられている。また、南米と南極半島の間も約3000万年前から開き始め、ドレーク海峡が形成され、南極大陸の周りがすべて大きな海で囲まれるようになる。これにより最終的に、南極大陸の周りをぐるぐる回る海流である南極環流が形成されることになる。ゴンドワナ大陸の分裂後、南極大陸の位置は、8000万年前ころから現在の位置とほとんど変わっていない。南極環流は北大西洋の冷水塊と同様に地球上の冷水塊の出発点となっており、地球上の大循環の一端を担っている。