黒潮は親潮などとともに日本周辺を流れる主要な海流の一つで、熱帯赤道域の暖水域で形成され、台湾の北から東シナ海を経て奄美大島の北のトカラ海峡から太平洋に入り、本州の南岸に沿って流れている。黒潮本流は最大4ノット(秒速2m)、最大幅は100km、厚さは500mに達し、輸送量は毎秒5000万トンともいわれる。この黒潮が真っ直ぐ流れずに四国から伊豆半島の沖で蛇行することが知られている。この現象は沿岸の気候や船舶の運航、漁場などに大きく影響する。紀伊半島から遠州灘沖で南へ大きく蛇行する「大蛇行型」と四国から本州南岸に沿って流れる「非大蛇行型」に分けられ、蛇行時には下層の冷たい水が湧き上がり、冷水塊が発生する。1953年以降は6回発生しており、2004年に13年ぶりに発生し、05年8月に終息した。この蛇行では台風などによる高潮が起こって大きな被害が出た。発生原因についてはまだ不明である。