水温25℃以上の清浄な浅い海洋に発達する、炭酸カルシウムからなる構築物で、サンゴ虫の分泌する殻が空気中の炭酸ガスを固定して形成されている。1831年から「ビーグル」号に乗って世界を回ったダーウィンはインド洋のココス島の近くで数多くのサンゴ礁を観察して、その形態には裾礁、堡礁、環礁という三つのタイプがあり、それらは火山島の沈降によって説明できることを提案した。その後、この考えを証明するためにサンゴ礁のボーリング調査が行われ、サンゴの下に玄武岩(火山島の本体)が存在することが確かめられて沈降説が証明された。また、サンゴ礁の内側では波浪が妨げられて静穏な海域になる。そのため、モンテレー湾のジャイアントケルプと同様に多くの生物が住み着いて共生しており、生物多様性や白化現象によるサンゴ礁の消滅を防ぐという観点から、その研究が進められている。なお、サンゴ虫がどのようにして産卵するかは謎であったが、最近満月の夜に一斉に放卵することがわかった。