1950年前後に、M.ユーイングは地震波探査により、海洋地殻は大陸地殻(20~70km)に比べて薄い(4~10km)という事実を発見していた。地震波の速度の出現頻度から2~3km/秒、5.0km/秒、6.8km/秒および8.0km/秒に極大を持ち、世界の海洋底はどこでも地震波の速度が極めて類似していることがわかった。これらを海洋の第1層、第2層、第3層と名付け、モホロビチッチ不連続面を経て、上部マントルがそれらに相当することがわかった。第1層は深海堆積物や岩石、第2層は玄武岩質岩石、第3層はガブロ、そして上部マントルは超塩基性岩であると考えられた。陸上に露出するオフィオライトは海洋と同様の地震波速度構造を持ち、また構成岩石も類似しているため海洋地殻とマントルの一部が陸にのし上げたと考えられている。アラビア半島のオマーンには世界最大のオフィオライトが全面露出している。