1912年、ドイツの気象学者、A.ヴェーゲナーは地形、地質構造、古生物、古気候などの証拠から今から約2億5000万年前に存在した超大陸パンゲアが割れて、大陸片が海底の上をかきわけ、現在の位置まで水平に分裂移動したとする大陸移動説を提唱した。この考えは当時主流であった地向斜の考えにまっこうから対立するものであった。前者は垂直運動で、後者は水平運動である。大陸移動のメカニズムについては、イギリスのA.ホームズがマントル対流の概念を提唱し、大陸移動はマントル対流によって起こる可能性を示したが、ヴェーゲナーがグリーンランドで調査中に亡くなったため、この考えは多くの地球物理学者に反対され受け入れられることなく終わった。ところが、1950年代後半、イギリスのS.ランコーンらは全世界の大陸の古地磁気分布を調べ、その結果から大陸移動の事実があったことを証明した。大陸移動説の復活である。