大陸移動説の考えと1950年代の海嶺の主として重力異常、地磁気異常、地殻熱流量、地形、地質などの地球物理学的な研究にもとづいて、1961~62年、アメリカのR.ディーツとH.ヘスは、大洋中央海嶺系中軸部で新しく生まれた海洋底地殻が水平方向に拡大移動し、行き着く先で大陸地殻や既存の海洋底地殻に衝突し、多くの場合、それらの下に斜めに沈み込み、まれにはのし上げる場合もあると考えた。海洋底は常に更新していることを提案した。こうした解釈を海洋底拡大説という。大洋中央海嶺系中軸部は拡大する軸で、地殻が引っ張られる伸張場で、のちに多くの海底熱水系が発見されている。沈み込みは幅狭い帯状になるので沈み込み帯(subduction zone)を形成し、横圧力がかかる場になるのでひずみを生じ、海底を押し下げ、巨大地震が発生する。