ある元素が特別に濃集した岩帯や鉱物帯で、特に人類にとって有用な元素の集まったもので採掘可能なもの。その生成には火山活動や地殻変動に関係したり、堆積の場に関係するなどさまざまな過程が考えられる。地球化学はもともとある元素がどのようにして濃集するのかのプロセスを明らかにする学問として出発した。黒鉱鉱床やキースラガーなどの金属鉱床は海底火山活動と密接に関係しており、その場としては大洋中央海嶺や背弧拡大軸、そして海底にある島弧の火山フロントや背弧凹地がその候補である。メタンハイドレートなどの炭化水素といった有機物に起源を持つ石油鉱床は陸に近い厚い堆積の場である前弧海盆や沈み込み帯の地下深部が候補である。マンガンなど酸化的な環境で生成されるものは陸から遠く離れた大洋底や海山のふもと、そして頂上などが候補である。鉱床生成場の解明は資源の乏しい日本にとって今後の大きな課題である。