海底堆積物の中に層状に入る鉱床で黄銅鉱や硫化鉄を含むもの。その組成は熱水鉱床に類似する。日本では西南日本外帯の三波川変成岩帯や御荷鉾(みかぶ)帯に特徴的に産出する鉄や銅を主とする鉱床で変成岩帯の構造に調和的に産出する。四国の別子銅山が有名で別子型とも呼ばれている。三波川変成岩帯では特に緑色片岩の片理に沿って黄鉄鉱が形成されている。キースラガーは海底で噴火した玄武岩に伴って産出する。これらの玄武岩は海成の堆積物に覆われ、それらが変成し、最終的には陸上へ露出した。成因に関してはかつては紅海の底の金属に富む熱水やカリフォルニア湾の東太平洋海膨がそうであると考えられた。今ではキースラガーの現代版としてファンデフーカ海嶺がその典型とされている。ここでは海嶺が陸からの堆積物に埋もれて熱水活動が起こっているが、熱水は堆積物中の堆積面に調和的に進入している。深海掘削計画でシル状の硫化物が得られている。