イギリスの海洋調査船「チャレンジャー1世」号の世界探検航海(1872~76年)によって、水深4000~6000mの深海底にマンガン団塊が分布することが発見された。その後マンガン団塊は世界中の海洋底に広く分布し、特に太平洋のクラリオンとクリッパートン断裂帯の間の海域に多いことが知られた。マンガンは数mmから数十cmのやや扁平な球状で存在するが、それらが多数付着し合って板状に海底面を覆っていることもある。これをマンガンクラスト(manganese crust)という。マンガン団塊の断面は年輪のように縞状の構造を持ち、その成因は海水中から濃縮・沈殿したと考えられる。団塊の生成される環境は底層水の流れの速い酸化的な場所である。そのような場所として南極の底層水の流れるドレーク海峡などがある。団塊の成分はマンガンと鉄を合わせて40%、ニッケル1.0%、コバルトと銅が0.5%程度で、将来の資源として期待される。