海洋の資源としてリン酸塩堆積物があげられる。これはグアノ(guano)として知られるもので、鳥の糞が固まってできたものである。海洋の無人島など、名前も鳥島やバードアイランドなどと名前の付くものが多い。海底の堆積物の中には炭酸塩からなる堆積物が水深の大きい所で溶け出し、それをリン酸塩が置き換えたものも知られている。リン酸塩は1873年イギリスの海洋調査船「チャレンジャー1世」号によって、南アフリカの大陸縁辺部の調査によって初めて発見された。リン酸塩堆積物が最も多く分布するのは大陸棚と上部大陸斜面にかけてであり、団塊やスラブ、あるいは礫岩として産出する。それは海洋の湧昇流の起こりやすい場所に相当し、南アフリカのアグルハスバンクは世界最大のリン酸塩堆積物の産地でリンに富んだベングエラ海流の湧昇流が起こっている。深海底でできたマンガン団塊の核として産出する炭酸塩岩はリン酸塩の岩石に変化していることが多い。