海洋の表層と深海との20℃近い温度差を利用して行う発電。熱帯や亜熱帯では海洋の表層の温度は25℃以上もあるが、数百mの深さになると温度は10℃近くに下がる。経済的には、水深が浅くて温度差の大きい場所でこのようなシステムが運用できる。海洋深層水をくみあげている場所と同様に大陸斜面の水深300mほどの場所では発電が可能である。原理はわずかの温度差で液体から気体に変化する物質、例えば塩化アンモニウムのような溶媒を用いる。表層の暖かい海水の元では塩化アンモニウムはアンモニアガスになりタービンを回す。これを循環させて冷やすと再び塩化アンモニウムになる。このような循環システムを作ることによって発電を行う。佐賀大学の上原春男教授はこのようなサイクルを作ってウエハラサイクルと名付けた。熱帯域のパラオ共和国のように戸数の少ない国では温度差発電で十分電気がまかなえる。