1996年岩手県三陸海岸船越湾の水深40mのところに設置された外洋型人工海底施設。外洋の波浪の影響を受ける水深100mまでの海域に設置できる潜降浮上機能を持つ。設備は36.4m×20.0mの広さの人工海底部とその上に機械室、つり下げられたバランスウェイトからなる。このプラットフォームを浮上させてアワビなどに給餌し、沈降させて実際の海底に戻すというものである。この機器を開発する前段階として波浪の影響の少ない内湾型の「マリンあや1号」が90年に完成され、岩手県綾里(りょうり)湾に設置された。人工海底はアワビや魚類を対象とした給餌養殖に活用するため開発された。三陸リアス式海岸は水深が急に深くなるために養殖などが盛んではない。日本周辺の沿岸で水深10mくらいの範囲は養殖に関しては過密であるため、まだ利用されていない空間を使うことで岩手県が選ばれた。これは海洋研究開発機構と岩手県との共同開発である。