海盆とは海の中の凹んだ地形をいう。海洋の中には洗面器の底のようにわずかに真ん中がへこんだ形をした部分があり、これを大きさに関係なく海盆と呼ぶ。海盆は一般に堆積物で埋積されているためにその表面は平坦になっている。フィリピン海の中には西フィリピン海盆、四国海盆、パレスベラ海盆があり、日本海には大和海盆と日本海盆がある。海膨は海嶺と同様のものであり、観測技術があまり発達していなかったころには、大西洋中央海嶺と東太平洋海膨ではその地形に大きな違いがあると思われていた。大西洋中央海嶺では海嶺の中央部に中軸谷と呼ばれる深さ1.5キロメートルにも及ぶ凹地が知られていた。地形断面は凸凹していて東アフリカ地溝帯の構造と比較された。ところが東太平洋の中央海嶺にはそのような谷は認識されず、のっぺりとした上方へ膨らんだような地形断面を呈していたので海膨と呼ばれた。後になって東太平洋海膨にも小規模な中軸谷が見つかったが名前だけが残った。