津波によって飲み込まれた陸上の構造物や船、植物など大量の瓦礫(がれき)が海に漂っているものを津波デブリと呼ぶ。大雨や台風などによって壊れた建物や植物なども河川によって海に運ばれ、やがてデブリとして海に漂う。その中の重いものは沿岸で沈んでしまうが、水に浮くものは表層の海流によって沿岸から沖合へとどこまでも運ばれていく。2011年3月11日の東日本大震災で起こった大津波によって東北日本から海洋に運ばれた津波デブリは、膨大な量に達して一塊にまとまって移動し、1年後にはハワイへ到達し、2年後にはアメリカ西海岸へと到達すると予想されている。漂着物も一種のデブリであるが、漂着物はその量において津波デブリよりも少ない。世界の大洋には陸から運ばれた漂着物や大量の津波デブリが集積する場所が5カ所知られている。南大西洋、北大西洋、南太平洋、北太平洋そしてインド洋で、沿岸にあった瓦礫はやがてこれら5カ所に集まってくる。