太平洋の東にある東太平洋海膨周辺の海底から金属に富む泥が見つかった。金属にはレアアースと呼ばれる希土類元素が含まれている。この元素は海水中に含まれるものが熱水プルームに吸着してできたものである。東太平洋海膨では新しくプレートが生産されるため地下からマグマが頻繁に出てきて火山活動を引き起こしており、それに伴って温められた海水が熱水噴出孔を形成している。これらの熱水噴出孔から放出される鉄やマンガンに富むプルームと呼ばれる大きな煙のようなものが、広大な範囲の海水中にばらまかれ、海水中で懸濁物質を作り、それにこれらのレアアース元素が吸着される。また堆積物の中にある灰十字石と呼ばれる沸石という鉱物も、同様にレアアース元素を吸着する能力をもっているために、これらの元素の濃集した泥が形成される。現在は希土類元素の生産は大部分が中国に限られているため、この発見は将来日本がこれらの元素を入手できるきわめて明るい材料である。