1989年に建造された有人潜水調査船。母船は「よこすか」である。長さ9.5メートル、幅2.7メートル、高さ3.2メートル、空中重量26トン、内径2.0メートルで、最大潜航深度6500メートル。乗船者は3人で、アクリルでできた三つののぞき窓をもつ。搭載機器として前方障害物探知ソナー、水中灯光器、マニピュレーター、サンプルバスケット、テレビカメラ、スチールカメラ、ジャイロコンパス、自動進路保持装置、音響画像伝送装置などがある。空中重量に釣り合うように浮力材をもつ。潜航には余分の錘(おもり)を装備し、海底に到着する直前にそれを切り離して水中で中立を保ち、浮上にはさらに重りを切り離す。上昇・下降の速度は1分間におよそ43メートルで、6500メートルの海底に到着するのに約2時間半かかる。海底では蓄電池によって主推進器を回し、スラスター、バラストタンクなどで中立になるよう調節する。「しんかい6500」は大西洋、太平洋、インド洋の三大洋のほかにハワイや南半球のフィジーなどで潜航を行って多くの成果をあげている。