原子力船「むつ」の原子炉を取り去って改造した海洋地球研究船。原子力船「むつ」は1969年に建造されたが、その周航の折に放射能が漏れたということで廃船に追い込まれた。95年に「むつ」を改造し、96年に新しい海洋地球研究船「みらい」として就航するようになった。「みらい」は8687トン、全長128メートル、幅19メートル、深さ10.5メートル、喫水6.9メートルで、耐氷性をもつ。ハイブリッド式減揺装置をもち動揺が少ないので、大気と海洋の物質循環の活発な熱帯域や極域などの荒天域の調査に向いている。搭載機器として音波探査、重力計、磁力計、多関節クレーン、CTDウインチ、トライトンブイ、気象観測、ドップラーレーダードーム、音響式流向流速プロファイラー、36連大型採水器、20メートルの採泥器などがある。地形、地質、地球物理、大気科学、海洋科学などの広範な分野の研究を行うことができる。2003年には南緯30度に沿って太平洋、大西洋、インド洋を横断し初めて世界周航航海を行った。10年には北極域の北緯79度11分、西経164度57分に到達し調査を行っている。