海の中を雪のように沈降している懸濁粒子のこと。北海道大学の鈴木昇と加藤健司が潜水調査船「くろしお号」で潜航した折に、これらの懸濁物にライトが当たると粒子が大きく白く見えて、まるで雪が降るように沈降していく様を、海の中を降りしきる雪、マリンスノーと名付けた。マリンスノーの実態はさまざまなプランクトンの死骸やプランクトンの排せつ物、それらが分解した有機物の凝集体である。これらは主に炭素でできているので、その炭素量を換算してみると1立方メートルあたりで約200グラムとなる。。これらの沈降速度は1日に数十メートルから数百メートルである。魚のふんなどやや大型のものはペレットとよばれ、沈降速度はマリンスノーより速い。マリンスノーはプランクトンがたくさん生息する沿岸部に多く存在し、深海底の生物の栄養源となっている。相模湾や駿河湾のように水深の大きい河川の流入のある場所では、川からの有機物によってプランクトンが発生して多くのマリンスノーが見られる。