レアメタルとは希少金属の総称だが、レアアースは原子番号21番のスカンジウム(Sc)、原子番号39番のイットリウム(Y)の2元素と、原子番号57番のランタン(La)から原子番号71番のルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の総称である。レアアースは、かつては中国の雲南省や貴州省の花崗岩に豊富に存在しそのために中国の一人天下であった。しかし最近、海洋底の海台や海嶺の近くの堆積物の中から非常に高濃度のレアアースが発見されている。レアアースは地球の中でもマントルの深部に多く、そこから由来する岩石に多く含まれているが、海台や海嶺を作る玄武岩のうち、マグマの生成深度の深いものには多くのレアアースが含まれていることが明らかにされた。日本の排他的経済水域(EEZ)にある南鳥島(マーカス)の周辺には比較的新しい堆積物が東大工学部のグループによって発見されている。このレアアースに富む堆積物は海底の数メートルから数十メートルの深さに存在するために、簡単かつ低コストで採集できるとして注目されている。