潮の干満のことで、月と太陽の引力によって生じる海面の昇降現象。主に海岸などで見られる1日1~2回のゆっくりした海面の昇降を指し、海洋潮汐ともいう。地球に対して太陽と月が対称的な方向に来た時に両者の引力で海水が引っ張られて満潮が起こり、月と太陽が地球に対して直角の方向にある時には干潮が起こる。潮汐は目に見えるものだけではなく、水深1000m以上の深海底でも水圧の変化から12時間ごとに潮汐が起こることが観察されている。相模湾の水深1174mの海底や大西洋中央海嶺の水深3600mの海底でも観測されている。潮汐が大きい時に台風などの大風が吹いたりすると高潮となって沿岸に大きな被害が及ぶことがある。赤道地域では潮の干満が大きいため、現地の人たちは潮の干満を考えて船を係留している。海にすむ生物は潮の干満現象をよく知っており、利用している。産卵のため陸に上がってくるカメなどは新月の日に上陸する。また深海底のカニが満月の日に卵を放出することが観察されている。また、潮汐は海水だけに起こるのではない。固体地球も月と太陽の関係で引っ張られたり押されたりする。これを固体潮汐という。