海中を漂う微少なプラスチックで、大きさが1mm以下、ないしは5mm以下のものを指す。潜水調査船で深海に潜った際に、漂っているビニール袋がしばしば視認されたのは1980年代のことで、日本海溝の6000m以深の海溝最深部でも見つかるようになり、今やどこの海域でも目にするようになった。最近、深海堆積物中からも微小なプラスチックが見つかるようになってきた。マイクロプラスチックは工業用研磨剤や海洋のごみ、洗濯によって家庭から出てきたプラスチックが、川などを経由して次第に小さな粒子へと分解されて海に運ばれたものである。洪水や津波などによって、陸から大量のプラスチックが海洋へ運ばれることもある。この量が大きくなれば公害にまで発展するが、現在、年々増加しつつあり大きな問題になっている。プラスチックは海水には溶けないので、いつまでも海水中に漂い続け、これを海洋の生物が摂取することによって生態系に大きな被害を与える。生物の食物連鎖によって最終的には人間の口に入って、人体に大きな影響を与えることになる。プラスチック製品は広く普及してきたが、その結果として深刻な海洋汚染を来している。