イルカやクジラをはじめとする海棲哺乳類が、陸地に打ち上げられるかもしくは浅瀬や湾に迷い込んで身動きが取れなくなる状態。生きたまま陸に上がってしまった場合もこれに相当する。2002年に多摩川に現れたオスのアゴヒゲアザラシのタマちゃんも、一種のストランディングである。また16年に茨城県の海岸に打ち上げられたクジラもその例である。国立科学博物館の情報によればストランディングの記録は日本全体では2日おきくらいに起こっているようである。その種類もイルカやクジラにとどまらず、様々な海棲哺乳動物が挙げられている。ストランディングの原因が不明であるため、国立鯨類研究所はストランディングしたクジラの情報を公募している。外敵に襲われて逃げてくるうちに浅瀬に上がってしまう、餌を追いかけていて誤って浅瀬に入ってしまう、あるいは船舶の音に驚いて逃げて誤って浅瀬に上がってしまうなどの原因が推測されている。大型の海棲哺乳動物は、集団で方向を見失ったり、ほかの生物に追い込まれたりして陸に上がってしまうことがある。また一説には地磁気の異常などの外的な影響も指摘されているが、現在のところ、真相はわかっていない。