太陽系第2惑星。大きさ、質量、平均密度などは地球によく似ている。公転周期224.7日、自転は逆回転で周期243.0日。炭酸ガスの厚い大気に覆われ、表面は全く見えない。表面は90気圧、460℃もある岩石のごろごろした世界である。大気上層ではスーパーローテーションと呼ばれる高速風が吹いている。探査機による宇宙空間からの観測は、1962年のマリナー2号から始まり、その後、旧ソ連が探査機を着陸させるベネラ計画を推進し、67年のベネラ4号から83年のベネラ16号まで、合計13機を送った。一方、アメリカは67年にマリナー5号を送り、2005年のビーナス・エクスプレスまで計9回の計画を成功させた。1989年のマゼラン計画では高分解能のレーダー観測が行われ、火山活動の跡や地形変動をうかがわせる地形の存在などが明らかになった。硫酸を含んだ大気の成分や温度分布などが明らかになったのも探査機による観測の成果であった。2010年5月、スーパーローテーションなど金星の気象現象の解明を主目的とした日本最初の金星探査機あかつき(PLANET-C)が打ち上げられ、12月に金星に到着したが、減速用ロケットが故障し、金星を周回する軌道に乗せることができなかった。その後、制御姿勢エンジンを活用し、15年11月に再投入を行い、これに成功した。今後、徐々に軌道を修正し、16年4月頃から本格的な観測に入る予定。