太陽系第6惑星で環が特徴。平均密度は1cm3当たり0.7gで、水より小さい。公転周期29.5年、自転周期は赤道で10時間14分。極大光度はマイナス0.5等。主成分は水素とヘリウムで、大気中には少量のアンモニア、メタンが存在する。表面温度は-180℃。表面には淡い縞模様があり、時々白斑が発生する。環は厚さ数百mから数kmの同心円リングから成り、外側からE、G、F、A、B、C、D環と呼ばれている。幅は数万kmに達する。環を構成する氷粒子は直径数cm程度で、全体の質量は土星の100万分の1以下である。2004年7月、土星周回探査機カッシーニが周回軌道に入り、05年1月、子探査機ホイヘンスが衛星タイタン(Titan)に着陸した。タイタンにメタンの川や湖の痕跡を発見し、その供給源らしき低温火山の発見も報告されている。カッシーニはまた土星北極上空のオーロラもとらえている。09年、赤外線天文衛星スピッツァーは土星直径の300倍もの広がりのある巨大な環を新たに見つけた。塵や氷が薄く広がっているものと考えられるが、余りに希薄でかつ低温であり、これまで発見されなかった。環は27度ほど傾き、衛星フェーベの軌道を取り巻くように分布しており、フェーベが環の供給源と見られる。16年現在、カッシーニは健在で、17年9月からのカッシーニ・ソルスティス計画に向けて待機中である。