地球の衛星。赤道半径1738km、質量は地球の80分の1程度。平均密度が3.34g/cm3と地球の5.51g/cm3に比べて小さいため、地球の地殻を構成する物質が他天体の衝突などにより分離したものと考えられる。火星程度の大きさの原始惑星が衝突するというジャイアント・インパクト(大衝突)が太陽系形成時に高い頻度で起こることがシミュレーションから示され、この説を支持している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2007年9月に打ち上げた月探査機「かぐや」は月周回軌道をめぐり、蛍光X線分光計をはじめ最新の計測装置により鉱物組成や地下構造などの探査を行い、09年6月に終了した。