地球に接近し、衝突する可能性のある小惑星や彗星のことで、地球近傍天体ともいう。国際天文学連合の小惑星局ではその候補となる小惑星として約1400天体を挙げている。その大半はここ10年以内に発見されている。直径10kmの天体が秒速20kmで衝突すれば地球の全生命は絶滅すると言われている。そこで、地球接近天体をいち早く探し出そうという動きが起こり、1996年3月、国際機関・スペースガード財団がイタリアで設立され、10月には日本スペースガード協会が発足し、観測が始まった。岡山県の美星スペースガードセンターでは光学的な観測を、上齋原スペースガードセンターではレーダーにより地球接近天体の観測を行っている。このプロジェクトにより、2008年11月6日に発見された小惑星2008TC3は、翌7日、予想通りアフリカ上空で大気に突入し、その破片が回収された。また09年12月、小惑星アポフィスが32年に地球に衝突するおそれがあると発表されたが、29年4月に地球から3万2500kmという至近距離を通過するものの、衝突の可能性はないとされる。