国立天文台が水沢(岩手県)、父島(東京都)、入来(鹿児島県)、石垣島(沖縄県)に設置したVLBI(Very Long Baseline Interferometer)方式の天文広域精測望遠鏡。それぞれ口径20mのアンテナを配置することで、口径2300kmの望遠鏡に相当する分解能を得る。また大気ゆらぎの影響を除去する位相補償技術の導入によって、10万分の1秒角の精度で銀河系内のメーザー源の位置、年周視差、固有運動を測定する。2002年5月から観測が始まり、銀河系の正確な三次元構造を明らかにするプロジェクトが進行している。07年、1万7250光年彼方にある天体S269の年周視差(10万分の38秒)を求めることに成功した。これはこれまで人類が直接計測した最も遠い距離であり、VERAの性能を示す良い事例となった。