2012年9月、国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network ; ISON)によって発見された彗星で、13年11月中旬から12月末にかけて明け方の東天に肉眼で見えるのではないかと期待されていた。11月29日、太陽直径ほどの距離まで接近し、太陽表面をかすめるように通過した後、急激に暗くなり、扇形に形が変化した。核がいくつかに分裂し、かなりの部分が蒸発してしまったと思われる。その後も明るくなることはなく、期待されたような雄姿を見ることはできなかった。このように太陽に異常接近した彗星としては、1965年の池谷・関彗星がよく知られている。池谷・関彗星は太陽接近時、白昼、見えるほどに光度を増し、分裂してしまった。