医療分野の研究開発、整備、実施を行うために、内閣府の元に設置された国立研究開発法人。いわゆる日本版NIHで、2015年4月に研究者300人規模で発足した。日本では山中伸弥教授がノーベル賞を受賞するなど、医学の基礎となる研究は高い水準にある。これを創薬や再生医療、高齢化社会の予防医療など現場の進歩につなげるには、文部科学省による基礎研究への投資を、厚生労働省や経済産業省の事業へ橋渡しする必要があり、現在の縦割り行政の仕組みでは限界がある。そこで、アメリカのNIH(アメリカ国立衛生研究所、1887年設立)にならって官邸主導で設置された。国の医療分野研究開発推進計画に基づく九つの分野を主な対象としている。省庁の壁を越えるだけでなく、民間からの参加も期待される。他方で、主に臨床応用を念頭に置いた重点型の研究投資が基礎研究を阻害する、あるいはNIHに比べて規模が小さすぎるという批判もある。